「20人を採用して、1年で20人が辞めた」ベンチャー企業の経営者の発言を転職希望者はどんな風に見るだろう。



photo credit: Businessmen shaking hands via photopin (license)


こんにちは。新しい時代のキャリア情報を提供するクラリスキャリア編集担当のジョシュです。

このブログでは、転職やキャリアチェンジ、キャリアアップを通じて新しい働き方を模索する個人の方、またそんな中で企業で活躍してくれる人材を探している、経営者の方、採用担当者、ヘッドハンターの方などに参考になる記事に私の勝手な意見をつけてご紹介をしています。


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では今回注目した記事はこちら。



「20人を採用して、1年で20人が辞めた」 注目スタートアップが、人材採用での苦戦を赤裸々告白 - リクルートVenture HR Summit 2015 | ログミー[o_O]









今どきのITベンチャーの若手経営者の方々が、スタートアップ時の採用の大変さ、気をつけたことなどが書かれていますね。


創業直後で、給料も安定して出せないときなどに人を集める苦労は今も昔も同じようです。


それにしても、IT関連分野は、若い人たちによる新しい企業やサービスが出てきて、本当に楽しみですね。

私の所属するクラリス・ファームへの依頼もこのような新しく勢いのあるIT関連企業のニーズが一番多くなっています。



さて、では今回気になったところをあげてみましょうか。



例えばこんなところ。




そうそう、妥協採用というか人を広く採ってしまって。本当にカルチャーマッチしない人を採るみたいなことと、会社の業績が良くない方向に行くみたいなのがコンボでくると人がバサッと抜ける現象が生まれるんだなと思いましたね。ある種の妥協採用をするだけだったら、それ自体はクリティカルにはならないけど、他の問題とコンボで来ると会社って傾くというのをその時に経験しました。



◇妥協採用かもしれないけど。




まあ、この記事のカンファレンスは、採用に関して本音で語りましょう、という趣旨ものであり、この経営者の方は正直に話している正直な方なんでしょうが、過去に自分が行った採用を「妥協採用」だった。と言い切るのは正直いかがでしょうか。


採用、というか特に小さな規模の会社であればあるほど、人を雇うことはとても大切な人との出会いな訳ですよね?


時にその採用は、成果を生まず、不幸な結果を生んでしまうかもしれないけれど、人ひとりの転職という重要な人生の一部の担った判断だったはず。

社長にとっては多くのうちの一人でも、本人にとっては人生を賭けた一大事だったはずです。


その採用に関して、仮に少し妥協なところがあったとしても、経営者がそれを言ってしまったらおしまいな気がするのですが。

すべてがマッチングしなかったとしても、採用した人の可能性を伸ばせなかったのは経営者の責任でもありますよね。



これを結婚と考えたらわかりやすいのかなと思います。

お互い良いと思って結婚した。

ところが価値観の違いがあり、やがて離婚することになった。


そしたら男が言った。「まあ、妥協結婚だったから」


いかがでしょうか?こんな男性。たとえそれが本音だったとしても。


こんな発言から、どんな人柄が見えて来ますか?





◇ベンチャーほど、社長の人格が問われる




何が言いたいかというと、経営者の発言は様々は角度で見られているし、また転職しようとする方は、給与や待遇ばかりでなく、経営者の人に対する考え方をしっかり見たほうが良いということです。

特にスタートアップの企業では。


私が仮に優秀なエンジニアだとして、いざ転職しようかと思った企業の経営者のこんなインタビュー記事が出ていたら、正直入社を躊躇します。


今はどんな発言もあっというまにネットで拡散する時代。

まさか、彼らもそんなことを知らない訳ではないと思います。



あと、最後の一節も。



それこそ一緒になんかやりましょう、お前がCTOだみたいなこと言ったら、今の時代は全然来る人はいるだろう、と思いますけれどね。僕らの時代とかどこでそういう集まりがあるとか全然情報が無かったから、それこそ「どこにいるんだ?」みたいな感じだったんですけど、今は探しやすいと思いますよね。



これもまあ、本音だとは思うんですが。


とりあえず、CTOって言っとけば、それにひっかかって来るだろう、というのは本音かもしれないけれど、本気で自分を成長させたい、尽くせる企業や環境を探したい、という人にとては、すごく失礼なことですよね。


私が若手の経営者の方に採用に関してアドバイスするとしたら、このような記事になるのが明白なところでの発言はとにかく気をつけるべきです。


それから、人の採用はそれこそ結婚をするかのように、相手を尊重し、思いやりの気持ちをもって行うことですね。



転職をしたい個人の方には、小さな企業ほど、そこの社長が、従業員をどのように考えているのかを知るのは重要なことです。本当に従業員の幸せや成長を願っているのか、ただの便利使いと考えているのか。



「CTOとして期待しているよ」なんて甘い言葉の裏づけはしっかりとりましょうね。




(ジョシュ)

<自己紹介>
元大手ヘッドハンティング会社勤務。現在クラリスファームのキャリアカウンセラー&コンサルタント。


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