こんにちは。クラリス・ファームのジョシュです。
このクラリス・キャリアブログでは、新しい時代の転職、キャリアアップについての様々な話題を取り上げて、みなさんにお役にたつコンテンツをお届けしたいと考えています。
スポンサーリンク
さて、今回の気になった記事はこちら。
「ちくしょう！転職だ！」のキャッチコピーでおなじみの人材会社、アトラエが2月19日、ソーシャルデータと人工知能を使ってイケてる人材を探せるサービス「TalentBase（タレントベース）」の事前登録を開始した。自社で活躍する社員や興味のある人材を検索して登録するだけで、人工知能が自社に合った人材を推薦。レコメンドされた人材を取捨選択するごとに、企業に合った人材像を学習するのだという。
つまり採用をしたい企業が利用するツールなのですが、私の所属するクラリス・ファームとしては非常に気になるトピックです。
◇人物リサーチは重要な課題
クラリス・ファームの事業として、ヘッドハンティング会社の優秀な人材探しのリサーチをサポートする、というものがあるのですが、まさに、この「優秀な人物はどこにいるの？」というのはヘッドハンターたちだけでなく、企業の採用担当者の悩みの種でもあります。
そして、やはり実は、インターネット上に流れている情報からITを駆使して優秀な人物を探し出すというのはまさにその中心となろうとしているのですね。
活用するソーシャルデータはFacebook、Twitter、LinkedIn、GitHub、Qiitaの5サービス。これらの利用状況をもとに、「ソーシャル」「ビジネス」「技術」の3項目でスコアを算出する。
いわゆる個人のスコアリングを主要なSNSサービスを用いて行う訳ですが、これらのSNSが採用担当者から見られているのは以前から指摘されていることであり、これからますます、それを意識した自分のネット上でのアクションが求められるというところでしょうか。
月額10万円ほど。で良い人を発掘出来るというのが売りというわけですが・・。
◇このサービスは使えるのか
さて私なりの感想を書かせていただきます。
Facebook、LinkedInなどを通じて手動で良い人を検索するというのはヘッドハンティング業界でもすでに行われていて（当然、私のクラリス・ファームでも行っています）目新しさがないですが、それをオートメーション化出来るとなるとまあ、人手の足りない人事担当者とかヘッドハンターにとってはありがたいかもしれないですね。
ところが、本当に良い人物が見つかるかというと、正直期待出来そうにありません。
ソーシャルスコアはFacebookでいいね！された回数と、その人にいいね！した人の重要度を掛けあわせたもので、Googleのページランクに近い仕組みと言えそうだ。ビジネススコアはFacebookの被いいね！数とフォロー数の掛けあわせ、技術スコアはGitHubとQiitaの被フォロー数から算出している。
いいねやフォローの数だけで人物の細かいスキルが判断出来るなら、こんな簡単なことはないですね。
例えば、極端な話、エンジニアとしては素人でも趣味の旅行で多くのフォローを獲得している人の評価はどうするのか。
また、エンジニアとして優秀だとしても、企業、クライアントの望むエンジニア像かどうかは全くの別問題。当たり前ですが、エンジニアだけでも様々なスキルや評価ポイントがあります。
もちろん、それは営業でも事務系でも同じ。
と、思って読んでいたら、書いてありました。
この点についてアトラエに聞いてみたところ、「TalentBaseだけで採用するという判断ができるレベルにはならない」との答え。その一方で、「今までリーチできなかったけど、会って話してみたいという潜在的な人材を発掘するのが、格段に効率的になる」とアピールしている。
まあ、確かに、一部の作業の効率化にはなるかも知れないですが・・。なんか一番欲しいところが抜けているような。
このTalentBaseで上がってきた人物の中から、本当に求められている人物を抽出し、その人にいかにアプローチして、口説いていくか、というところが本当の根幹だから、現時点ではTalentBaseはその重要なところを解決しているとはとても言えないですね。
例えばわれわれクラリス・ファームは常にそこに注目し、その部分のサポートをヘッドハンター達に行っています。
それは嗅覚とか、アナログな部分も大きいと思います。
もしそれもすべて行ってくれるスーパーTalentBaseが出来上がったら、ぜひわが社でも採用してみたいと思うのですが。
今後に注目して行きたいと思います。
（ジョシュ）
＜自己紹介＞
元大手ヘッドハンティング会社勤務。現在クラリスファームのキャリアカウンセラー＆コンサルタント。
スポンサーリンク
