前回に引き続き、ボストン大学マネジメントスクール教授ダグラス・ホールのキャリア理論を取り上げます。
まずは前回のおさらいになりますが、ダグラス・ホールはキャリアについて以下のような新しい定義をしました。
・キャリアとは、成功や失敗を意味するものではないく、早い昇進や遅い昇進を意味するものでもない。
・キャリアにおける成功や失敗は、キャリアを歩んでいる本人によって評価されるのであった、研究者・雇用主・配偶者・友人といった他者によって評価されるわけではない。
・キャリアは行動と態度から公正されており、キャリアを捉える際には、主観的なキャリアと客観的なキャリア双方を考慮する必要がある。
・キャリアはプロセスであり、仕事に関する経験の連続である。
プロティアン・キャリアの概念の誕生
ホールがキャリアについて上記のようなな定義をした背景には、1980年代の社会における構造改革がありました。
ホールの主張によれば、構造改革により、個人と社会組織の間の「心理的契約」が変化したことが原因とされます。
特徴的な変化として、人々にとってキャリアとは、組織内のキャリアから、個人の仕事における心理的成功を目指す自己思考的なキャリアへの変貌を遂げました。
ホールは、キャリアとは「組織によってではなく、個人によって形成されるものであり、キャリアを営むその人の欲求に見合うようにその都度方向転換するものである」との主張を行いました。
これを変幻自在の意味を持つ、ギリシャ神話のプロテウスになぞらえ、
「プロティアン・キャリア」と表現しました。
以上がプロティアン・キャリアの名前の由来です。
次回はダグラス・ホール「プロティアン・キャリア」の中身についてより、具体的な解説を致します。
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